ビクセン(Vixen) 天体望遠鏡/撮影用アクセサリー カメラアダプター 直焦ワイドアダプター60 EOS用 3876-01 レビュー
ビクセン(Vixen) 天体望遠鏡/撮影用アクセサリー カメラアダプター 直焦ワイドアダプター60 EOS用 3876-01 を購入し、約半年にわたり様々な天体写真撮影に使用してきたので、その感想をレビューとしてまとめたいと思います。
導入のきっかけと期待
これまで、天体望遠鏡での観望は楽しんでいましたが、撮影となると、なかなか手が出せない分野でした。しかし、近年、手軽に天体撮影が楽しめる機材が増えてきたことを知り、私自身も長年愛用しているビクセンの天体望遠鏡にカメラを接続して、星空を記録したいという気持ちが強くなりました。特に、直焦ワイドアダプター60 EOS用は、EOS KissシリーズなどのAPS-Cセンサー搭載機との組み合わせを想定しており、私の所有するカメラとも互換性があるため、導入の有力候補となりました。
直焦ワイドアダプター60 EOS用に期待したのは、主に以下の点です。
- 天体望遠鏡の光学性能を最大限に活かした撮影: カメラレンズを通さず、直接天体望遠鏡の対物レンズから入る光をセンサーに結像させることで、よりシャープで高画質な天体写真が期待できます。
- 広角撮影の実現: 「ワイド」という名前の通り、比較的広い視野での撮影が可能になることで、星雲や星団だけでなく、天の川や星座全体を捉えることができるようになります。
- EOSシリーズとの高い互換性: EOSシリーズのカメラボディに直接接続できるため、余計なアダプターや接続パーツが不要となり、手軽に撮影を開始できることです。
- ビクセン製品との親和性: 長年ビクセン製品に親しんできた私にとって、同じメーカーのアクセサリーであることは、品質や使い勝手に対する安心感につながります。
実際の使用感と性能
実際に直焦ワイドアダプター60 EOS用を使用して撮影を始めてみると、期待通りの性能を発揮してくれることを実感しました。
画質について
まず、画質に関しては、大きな満足度を得ています。カメラレンズによる補正などを経由しないため、天体望遠鏡本来のクリアな像をそのままセンサーに記録できていると感じます。特に、木星や土星といった惑星の撮影では、そのディテールが驚くほど鮮明に捉えられました。また、M42オリオン大星雲のような淡い星雲の撮影においても、ノイズを抑えつつ、その構造をしっかりと写し取ることができています。
撮影のしやすさ
接続の容易さも特筆すべき点です。EOSシリーズのカメラボディにスライドさせるだけでカチッと装着でき、非常にスムーズです。望遠鏡側も、ビクセンの標準的な接眼レンズアダプター(別売りの場合あり)などを介して、しっかりと固定できます。ライブビューでピント合わせをする作業は、精密なピントノブ操作が求められますが、これも慣れてくれば問題なくこなせるようになります。
視野について
「ワイド」という名前の通り、以前使用していたカメラレンズでの撮影と比較すると、明らかに広い範囲を写せるようになりました。これにより、天の川の壮大さや、複数の星雲・星団を一つのフレームに収めることが可能になり、撮影のバリエーションが格段に広がりました。もちろん、望遠鏡の焦点距離によっては、それなりの拡大率になりますので、撮影対象に応じて適切な望遠鏡を選ぶことが重要です。
改善点や注意点
一方で、いくつか改善点や注意点も感じています。
ピント合わせの難しさ
天体撮影においては、極めて精密なピント合わせが不可欠です。特に、惑星のような点光源ではない対象の場合、ライブビューで拡大表示しながら、微細な調整を重ねる必要があります。これは、このアダプターに限ったことではありませんが、より高画質を求めるのであれば、電動フォーカサーなどの導入も検討したくなる場面です。
光害の影響
天体撮影全般に言えることですが、光害の影響は避けられません。このアダプターを使用することで、より多くの光を集められるようになった反面、光害によるノイズも増えやすくなる傾向があります。できるだけ暗い場所での撮影が望ましいのは言うまでもありません。
アクセサリーの選定
このアダプター単体では、カメラと望遠鏡を直接接続することはできません。カメラ側のマウントアダプター(EOS用Tリングなど)や、望遠鏡側の接眼アダプター(ファインダーアダプターなど)が別途必要になります。適切なアクセサリーの選定が、スムーズな撮影開始の鍵となります。
まとめ
ビクセン(Vixen) 天体望遠鏡/撮影用アクセサリー カメラアダプター 直焦ワイドアダプター60 EOS用 3876-01は、天体望遠鏡での本格的な星空撮影を始めたいと考えているEOSユーザーにとって、非常に優れた選択肢であると断言できます。天体望遠鏡の光学性能を最大限に引き出し、これまで以上に魅力的な天体写真を撮影できるポテンシャルを秘めています。
画質、接続の容易さ、そして比較的広い視野は、このアダプターの大きな魅力です。もちろん、天体撮影特有の難しさ(ピント合わせ、光害対策など)はありますが、それらを乗り越えた先に、感動的な星景が待っているはずです。
天体写真の世界への扉を開きたいと考えているEOSユーザーの皆様には、ぜひ一度検討していただきたい逸品です。
上の文章は個人的な感想です。下記サイトで正確な情報をお確かめください