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ビクセン デュアルスピードフォーカサー 37227-0 レビュー
天体望遠鏡による観望、特に惑星や月などの高倍率での観望においては、ピント合わせの精度が観望体験の質を大きく左右します。わずかなピントのずれが、せっかくのシャープな像をぼやけさせてしまうからです。これまで私は、望遠鏡に標準で付属していたシングルスピードのフォーカサーを使用してきましたが、高倍率での微調整に難しさを感じていました。そこで、より精密なピント合わせを可能にするビクセン デュアルスピードフォーカサー 37227-0(以下、デュアルスピードフォーカサー)を導入し、その使用感をレビューします。
導入の経緯と期待
私がデュアルスピードフォーカサーに興味を持ったのは、惑星観望でしばしば経験する「ピントがなかなか決まらない」というストレスを解消したかったからです。シングルスピードのフォーカサーでは、ノブを少し回しただけでピントが大きく動いてしまい、目的のピント位置を通り過ぎてしまうことが頻繁にありました。特に、気温の変化などで望遠鏡の焦点距離が微妙に変動する際には、微調整の必要性が高まります。デュアルスピードフォーカサーは、その名の通り、低速と高速の2段階の送り速度を持つため、大まかなピント合わせは高速で行い、微調整は低速で行うことで、より繊細なピント合わせが可能になると期待していました。
製品の外観と質感
デュアルスピードフォーカサーは、ビクセンらしい堅牢で洗練されたデザインです。本体はアルミニウム合金製で、適度な重量感があり、高級感があります。フォーカサーノブは、指にフィットする形状で、滑りにくい加工が施されています。2つのノブ(高速用と低速用)は、それぞれ独立しており、操作性に優れています。低速用ノブには、より細かい操作を可能にするためのローレット加工が施されており、触れただけでどちらのノブであるか判別しやすい工夫もされています。全体的に、精密機器としての信頼性を感じさせる作りです。
取り付けと互換性
私の所有するビクセン製望遠鏡(ポルタII経緯台 A80Mf)への取り付けは非常に簡単でした。既存のフォーカサーを取り外し、デュアルスピードフォーカサーをそのまま取り付ければ完了です。ネジのピッチも合っており、加工などは一切不要でした。ビクセン製望遠鏡との互換性は高いと思われますが、他社製望遠鏡への取り付けについては、アダプターなどが必要になる場合があるため、事前に確認が必要です。
実際の使用感:低速フォーカシングの威力
実際に夜空でデュアルスピードフォーカサーを使用してみると、その効果は歴然でした。まず、高速フォーカシングノブを使用して、おおよそのピント位置に近づけます。この段階でも、シングルスピードフォーカサーに比べてスムーズな動きだと感じました。そして、ここからがデュアルスピードフォーカサーの真骨頂です。低速フォーカシングノブに切り替えると、ノブの回転に対してピントの移動量が劇的に小さくなります。この繊細な動きのおかげで、これまで苦労していた惑星の微細なディテールまでシャープに捉えることができました。特に、木星の大赤斑や土星の環の隙間など、わずかなピントのずれで失われてしまうような情報も、デュアルスピードフォーカサーのおかげで容易に確認できるようになりました。
低速フォーカシングノブのギア比が非常に高いため、ほんのわずかな回転でピントが微調整されます。最初は、その繊細さに戸惑うかもしれませんが、慣れてくると、まるで自分の指先でピントを「つまみ上げる」かのような感覚で、理想のピント位置を見つけ出すことができます。この精度は、高倍率での観望だけでなく、一眼レフカメラで天体撮影を行う際にも、非常に有効です。ライブビューでのピント合わせが格段に容易になり、よりシャープな写真が撮れるようになりました。
耐久性とメンテナンス
現時点では長期間の使用経験はありませんが、製品の質感や構造から、十分な耐久性があると考えられます。フォーカサー内部の機構は、定期的な清掃や注油といったメンテナンスが必要になるかもしれませんが、普段使いにおいては、特別な手入れは必要ないでしょう。しかし、精密機器であるため、衝撃や水濡れには注意が必要です。
まとめ
ビクセン デュアルスピードフォーカサー 37227-0 は、天体望遠鏡での観望体験を大きく向上させる、非常に満足度の高い製品です。特に、高倍率での惑星観望や天体撮影を行う方には、強くおすすめできます。ピント合わせのストレスが軽減され、より多くの天体のディテールを捉えることができるようになるでしょう。価格は決して安くはありませんが、それに見合うだけの価値は十分にあります。迷っている方は、ぜひ一度このデュアルスピードフォーカサーを試してみてください。きっと、あなたの天体観望ライフに新たな光をもたらしてくれるはずです。
上の文章は個人的な感想です。下記サイトで正確な情報をお確かめください

